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New Core Specification v5.3 Feature Enhancements | Bluetooth® Technology Website
Bluetooth v5.3が公開されました。大きな追加は、LE Audio時のConnection Updateの高速化(Connection Subrating)です。
以下に変更・追加された点を記載します。
- Periodic Advertisingの変更(LEのみ):ver 5.2までは定期的なAdvertising用のAUX_SYNC_INDパケットを無線部分が受信すると、すべてをホスト(PCのプロセッサやスマホのプロセッサなど)に送っていました。毎回、ホストが起き上がって処理するため、消費電力の無駄になっていました。
ver 5.3では、AUX_SYNC_INDに、ADI(AdvDataInfo)フィールドをつけることが可能になり、重複したパケットを判別できるようになりました。重複したパケットを破棄することで、ホストの負担を減らすことができます。 - 暗号鍵のサイズ変更(BR/EDRのみ):BR/EDRで暗号鍵サイズのネゴシエーションができるようになりました。
- Connection Subrating(LEのみ): LE Audioなどで、音楽を聴いてない時は、Connection Eventの間隔は広くし、低消費電力を保ちます。音楽を再生した時には、Connection Eventの間隔を短くし、音声データを転送します。これまでの規格では、数秒かかるConnection Update Procedureによって、これらを制御する必要がありました。
ver5.3からは、subrate factorという概念を取り入れ、connection eventの間隔は一定ですが、connection eventをスキップできる機構を取り入れました。このことにより、低消費電力を保ちながら、素早い音声再生が可能となります。 - Channel Classification(LEのみ):これまでは、セントラルからしか通信チャネルマップの更新はできませんでした。しかし、セントラルとペリフェラルが離れていると、遠近問題(無線LANでいう隠れ端末問題のようなもの)が発生し、セントラル側では空いているチャネルでも、ペリフェラル側では混んでいるという現象が発生します。
そこで、ver5.3からはペリフェラルからチャネルマップ情報をセントラルに通知できるようになりました。これをセントラルはチャネルマップ生成の時に参考にすることができます。 - AMPの廃止:IEEE802.11のPHYを使ったAMPの仕様が削除されました。そもそも、誰も使ってない仕様でしたので、影響は何もありません。
弊社でも、最新のBluetooth規格に対応した開発をしておりますので、お気軽にお問い合わせください。2021年7月29日現在、Direction Findingは、技術的に確立していますが、LE Audioに関しては、対応デバイスが出てくるまで、様子見をしています。