電波に関する法律(★★)

ほとんどの国で、無線を利用するのには、国の免許が必要です。それは、無線は空間を伝わって、地球の裏側まで飛んでいってしまう性質があり、勝手に使うと、迷惑がかかるからです。なので、携帯電話などでは、事業者(ドコモ、AUなど)が免許を取っています。

例外的に、送信電力が少なく、かつ、2.4GHz, 5GHzなどの周波数帯を利用する限りにおいては、利用者が免許を取る必要がありません。そのかわりに、製品の製造者が電波に関する試験を受ける必要があります。そのため、Wi-Fi, Bluetoothは免許無しで利用できます。

基本的には日本でも海外でも同じような試験を行うので(だいたい、米国で試験が追加されると日本も追加する)、以下では日本についてのみ説明します。(なお、電波に関する法律は頻繁に改正されるため、最新の情報を入手してから試験に望むことをおすすめします。)

どの国もそうですが、電波に関する試験は、大きく分けて2つあります。(その他、関連するものとして、EMC規格の試験もあります。)

  • 電波法の試験
  • SARの試験

電波法の試験

無線LAN、Bluetoothを利用する機器では、電波法の試験が必要です。日本の場合は、無線モジュールで試験をパスしていれば、製品本体での試験は省略できます。NFCを利用する機器では、リーダーライター、アクティブタグのように電波を発する場合は、電波法の試験が必要です(一部の国では、パッシブタグでも必要)。
試験には下記のようなものがあります。基本的には他の人に迷惑をかけてないかをチェックするものです。

試験項目 内容
周波数の偏差 一定時間、信号を出して、周波数がゆらいでないかをチェックする。
占有周波数帯幅 信号を出して、送信電力の99%がどれだけの周波数を占有しているかをチェックする。
不要発射の強度 2.4GHzや5GHzなど自分が利用する周波数帯域以外のところに電波が出ていないかチェックする。
空中線電力 信号を出して、送信出力が大きすぎないかをチェックする。
副次的に発する電波等の限度 信号を出してない状態で、不要な電波が出てないかをチェックする。

SARの試験

SARとは、Specific Absorption Rateの略で、比吸収率のことです。簡単にいうと、電波が人体にどれだけ影響をあたえるかを調べる試験です。近年では、電波が人体に影響(体が熱くなるなど)をあたえることが様々な試験で実証されています。そのため、試験の対象は、携帯電話やデジカメのような人体の近くで使用する無線機器です。
日本だけでなく、米国、欧州でもこの試験項目があります。

試験の内容は、無線機器の電波を送信しておいて、その電波を人体に類似した溶液内で受信するというものです。その電波の強度が基準値より大きいと不合格です。

電波法の試験をパスしても、SARの試験をパスできないこともあります。その時は、無線機器が人体に近づかない構造にするか、最大の送信電力を落とすなどして対応するしかありません。