無線LANの利用周波数帯(★)
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IEEE802.11b, IEEE802.11g, IEEE802.11a, IEEE802.11n, IEEE802.11acの無線LANでは、大きくわけて、下記の周波数帯を日本では利用します。
上記のチャネルについて、いくつか注意する点があります。
- 2.4GHz帯にて、IEEE802.11b, IEEE802.11gの通信を行う場合は、帯域幅は20MHzが必要です。しかし、図からわかるようにチャネルが5MHzごとに重なって並んでいます。そのため、お互いに隣のチャネルを使うと混信してしまいます。そこで、20MHz離して利用する必要があります。例えば、1chと5chを使うなどです。
- 5.2GHz帯のことをW52、5.3GHz帯のことをW53、5.6GHz帯のことをW56といいます。
- 2019年より144chが追加になりました。IEEE802.11axに対するもので、これにより80+80MHzのチャネルパターンが増えました。
各国の利用周波数帯
各国で利用できる周波数帯は異なります。
2.4GHz帯(1ch-13ch)はすべての国で利用可能です(米国はband edgeの制限が厳しいため、12ch-13chの出力を下げている製品が多いです)。
5GHz対は下記のようにそれぞれで違いがありますので注意が必要です。
5.2GHz | 5.3GHz | 5.6GHz | 5.8GHz | |
周波数 | 5180MHz- 5240MHz |
5260MHz- 5320MHz |
5500MHz- 5700MHz |
5725MHz- 5850MHz |
日本 チャネル |
36, 40, 44, 48 基本、屋内利用 登録で屋外可 |
52, 56, 60, 64 屋内利用のみ DFS/TPCあり |
100, 104, 108, 112, 116, 120, 124, 128, 132, 136, 140, 144 DFS/TPCあり |
☓ |
米国 チャネル |
36, 40, 44, 48 | 52, 56, 60, 64 DFS/TPCあり |
100, 104, 108, 112, 116, 132, 136, 140 DFS/TPCあり |
149, 153, 157, 161, 165 |
欧州 チャネル |
36, 40, 44, 48 屋内利用のみ |
52, 56, 60, 64 屋内利用のみ DFS/TPCあり |
100, 104, 108, 112, 116, 120, 124, 128, 132, 136, 140 DFS/TPCあり |
☓ |
中国 チャネル |
36, 40, 44, 48 屋内利用のみ |
52, 56, 60, 64 屋内利用のみ DFS/TPCあり |
☓ | 149, 153, 157, 161, 165 屋内利用のみ |
- DFSとは、Dynamic Frequency Selectionの略で、気象レーダー等を検知した場合に、チャネルを変更するものです。
この機能はアクセスポイント(自らネットワークを作成している機器)のみに必要ですが、端末側でもアクセスポイントの指示にしたがって、チャネルを変更しなければなりません。これに関係して、DFSのチャネルでは、端末側はスキャン時にProbe Requestを送信してネットワークの探索ができません。それは、端末がDFS機能を持ってないために、自らパケットを出すことが禁止されているからです。それにより、DFSのチャネルでは、ビーコンを受信することのみで、どのようなアクセスポイントがいるかを収集しています。 - TPCとは、衛星通信との干渉を減らすために、アクセスポイント、端末の双方でパワーを落とすものです。ただ、この制限はあるにはあるのですが、いつ、どれだけ落とせばいいのか、定義されてないのです。なんでもよいので、パワーを変更することさえできれば、各国で電波法の試験は通ってしまいます。