NFCの歴史(★)

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NFCの歴史を知ることは非常に重要です。どの解説本でもこの歴史が最初にかかれています。NFCはもともと別々の規格(NXP、ソニー、モトローラ、ブロードコム)を無理やり1つにまとめたものです。そのため、規格自体が入り混じって、できています。歴史を理解することで、別々な規格なのだとわかります。その予備知識がないと、なぜ、こんなややこしい仕様になっているんだと、毎回、疑問が出て、仕様書を読み進めることすらできなくなるのです。

Wikipediaによると、RFIDとは、無線を使ったタグという一般名詞で、NFCもこの中に含まれます。RFIDには、NFCのような電磁誘導を使ったものと、電波を使ったものの2種類に別れます。さらに、電磁誘導を使ったものは、周波数でいろいろな方式に分かれます。電磁誘導を使った中で、13.56MHzを使ったものの中にNFCがあります。

ところが、この業界でRFIDというのは、ISO18000-6c規格の900MHzを使った5mくらい届くタグのことを言います。物流などで昔から使われています。そして、NFCというのは13.56MHzを使ったタグのことを言います。このあたりは、Wikipediaとは違いますが、使われ方に応じて、理解する必要があります。

2004年〜2005年あたりにこれらの製品をまとめたNFC規格というのができました。とにかく、集めただけです。

物理層 Tag Type 製品
Type-A Type-1 Topaz/Jewel(Broadcom)
Type-A Type-2 MIFARE Ultralight(NXP)
Type-F Type-3 Felica Lite(SONY)
Type-A Type-4 MIFARE DESFire(NXP)
Type-B Type-4 ?(モトローラ)

実は、上の表を見てわかるのですが、SUICA、PASMOなどで使われているFelica StandardカードはNFC規格ではないのです。NFC規格では、セキュリティ機能(データの暗号化、相手の認証)を含んでないものだけを規格化しました。そのため、純粋なNFC規格のカードは、世の中ではほとんど使われない状況となっています。情報を入れるだけならQRコードの方が安価であるし、課金などの高セキュリティ情報をいれるには簡単に盗聴もできてしまうため、暗号化なしでは危なくて使えないのです。

そこで、2013年ころから、P2Pモードに限って、セキュリティをかけることを検討しはじめました。