NFCの基本動作原理(★★)

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NFCの動作原理を説明します。
一般的に無線通信で、信号を遠方に飛ばすには、波長と同じ長さのアンテナが必要です。NFCでは扱う周波数が13.56MHzと低いため、遠方に飛ばすには、約22mのアンテナが必要になり、大掛かりなものとなってしまいます。そこで、NFCでは電磁誘導の原理を使って、コイルに電流を流すことで、磁界を発生させ、信号を伝達しています。そのため、距離は、最大でも20cm程度しか飛ばすことができません(Type5はもう少し飛ぶ)。
NFCではこの電磁誘導を使い、主に3つのことをおこなっています。電力伝送と、クロック伝送と、データ伝送です。


電力伝送

NFCが他の無線通信と違うところは、電力を伝送しているというところです。そのため、Tag側には電源が必要ありません。
NFCの電力を伝送する原理は、トランスのような電磁誘導です。Reader/Writerに電流を流すと、磁界が発生し、その磁界がTag側に伝わって、電流を発生させるというものです。


クロック伝送

NFCが他の無線通信と違うところは、クロックを伝送しているところです。通常の無線通信(Wi-FiやBluetooth)でもクロック情報は伝送していますが、元となるクロックは受信側で生成し、微調整を搬送波の受信時におこなっています。これに対して、NFCでは元となるクロックも搬送波から受信しているところが特徴的です。

NFCでは、主に電磁波は13.56MHzを利用しているため、そのクロックをReader/WriterからTagに伝送しています。これとは別に、副搬送波も送っています。
TypeA/B/Fでそれぞれ違うため、詳しくは、後節で説明します。


データ伝送

NFCはシリアルの半二重通信(双方向通信だが、どちらか一方しか同じ時刻に送ることができない)を電磁波を使って行なっているものです。
データは主にAM変調をすることで送信されます。つまり、電磁波の振幅を調整して、0/1を伝えるようになっています。
TypeA/B/Fでそれぞれ違うため、詳しくは、後節で説明します。