Bluetoothの種類(★)

[BLE(Bluetooth Low Energy)の開発依頼は、フィールドデザインまでお気軽にお問い合わせください。]

Bluetoothの規格は、バージョンが上がっても前のバージョンの内容を含んでいます。そのため、Bluetooth SIGの出している仕様書は太っていくばかりであります。
なお、下記でPHYと書いているのは、物理層(Physical Layer)のことです。

規格 策定時期 通信速度 (理論値) 説明
Ver1.0 1999年7月 1Mbps 最初の規格。PHYは、BR(Basic Rate)と言われている。
Ver2.0 2004年11月 3Mbps EDR(Enhanced Data Rate)と言われる通信速度を3Mbpsに拡張するPHYを追加。
Ver3.0 2009年4月 24Mbps HS(High Speed)と言われる無線LANのPHYを使う機能追加。→ver5.3にて廃止
Ver4.0 2010年7月 1Mbps LE(Low Energy)と言われる低消費電力用のPHYを追加。
Ver4.1 2013年12月 1Mbps 6LoWPANをサポート
Ver4.2 2014年12月 1Mbps 最大ペイロードを27byteから251byteに拡張して、スピードアップ。ECDH,AESなど追加し、セキュリティ強化
Ver5.0 2016年12月 2Mbps アドバータイズパケットを31byteから255byteに拡張した。非接続時の通信を強化。
Ver5.2 2020年1月 2Mbps Isochronous Channelsを追加した(LE Audio用)。
Ver5.3 2021年7月 2Mbps 微小な変更。Connection Subratingなどを追加した(LE Audio用)。
Ver5.4 2023年1月 2Mbps 電子棚札(ESL)対応の変更。セキュリティレベルの確認用characteristicの追加等。
Ver6.0 2024年8月 2Mbps Channel Sounding(距離測定)の追加。
Ver6.1 2025年4月 2Mbps RPA(Resolvable private address)の更新タイミングのランダム化(セキュリティ強化)。
Ver6.2 2025年11月 2Mbps Connection Intervalを375usに(元は7.5ms)(ゲームコントローラなどのレスポンス強化)。

※上記でHSの通信速度が24Mbpsでありますが、この理由は私にはわかりません。IEEE802.11のレートが24Mbps(変調:OFDM+16QAM)と54Mbps(変調:OFDM+64QAM)では消費電力的には大して変わりはありません。さらに、無線LANデバイスには、サポートするレートを54Mbpsから他のレートに変更することが困難なものも多数あります。いずれにしても、HSの製品は世の中にはほとんどなく、今後もでそうにないため、気にしなくてもいいかもしれません。→ver5.3にて廃止されました。



Bluetoothの種類と言われたら、普通はPHYの種類を指して、下記の分類になります。
この中で、最初のBR, EDR, HSまでは、プロファイルまで含めて互換性があるのですが、LEからは全く新しいものとなっているため、互換性がありません。そういう意味を込めて、BR, EDR, HSまでをクラッシックBluetoothとも呼んでいます。

  • BR(Basic Rate)
  • EDR(Enhanced Data Rate)
  • HS(High Speed)←ver5.3にて廃止
  • LE(Low Energy)

Bluetooth5での変更点

Ver5.0でのVer4.2からの主な変更点は下記になります。

  • 物理レイヤに2Mbpsの変調方式を追加した。これによりデータ通信速度が2倍になります。
  • 距離を4倍に伸ばした。LE CODED PHYという方式を採用しました。変調方式は1Mbpsのままで実質ビットレートを125kbpsまで落としたことで、SNRが9.03dB向上し、さらにエラー訂正機能をいれたことで約3dBのSNRが向上しました。そのことで、SNRが約12dB、つまり、4倍に通信距離が伸びるようになりました(アドバータイズチャネル、データチャネルとも)。また、送信出力は、Version4.2までは10mWが最大でしたが、Version5からは100mWになりました。このことで理論的には3.16倍の距離に通信距離が伸びます。
  • LTEのバンドや他の2.4GHzの通信の影響を避ける機能を追加した。
  • アドバータイズの頻度をあげた。これにより未接続時にもデータ通信速度を上げたり、リアルタイム性を得ることができます。
  • アドバータイズのパケット長を31Byteから255Byteに増やした。これにより未接続時のデータ通信速度を上げられます。
  • アドバータイズ可能なチャネルを3から37に増やした。
  • Bluetooth LEのチャネル選択アルゴリズムの追加した。

Bluetooth5.2での変更点

Ver5.2でのVer5.1からの主な変更点は下記になります。

  • Enhanced Attribut Protocol(EATT):複数の並列アクセスを可能にしました(以前のATTは1アクセスごとにしかできなかったため)。また、これに関連してL2CAPでのCreditを使ったフローコントロールも拡張されています。
  • LE Power Control:動的な送信パワー制御を可能にした。これにより、必要最低限のパワーで通信することができるようになりました。
  • LE Isochronous Channels: リアルタイム伝送用のチャネルを追加した。これは、リアルタイムのデータ転送をするチャネルの追加で、今後発表されるLE Audioのベースとなるものです。

Bluetooth5.4での変更点

Ver5.4でのVer5.3からの主な変更点は下記になります。

  • Periodic Advertising with Responses (PAwR): PAwRはアドバータイズを双方向通信に拡張する仕様です。ネットワークトポロジーは、アドバータイズですので1対多となり、かつ、受信側が応答をできるというものです。応答は、指定されたスロットで応答するものとなるため、混信はしません。なお、リアルタイム性は保証していません。ESLに対する仕様となってます。
  • Encrypted Advertising Data: アドバータイズを暗号化する仕様です。これも、ESLの値段設定を行う際に、悪意を持った第3者に上書きされないためのものです。
  • LE GATT Security Levels Characteristic(SLC): GATT characteristicアクセスにSecurityがかかっているかを調べる仕様です。GAPのcharacteristicにUUID:0x2BF5のLE GATT Security Levelsというものが追加になり、これを暗号化なしで読むことで、Security ModeとLevelがわかるようになります。これまでは、characteristicにセキュリティがかかっているかはクライアント側はわかりませんでしたので、まず、アクセスし、insufficient encryptionなどが返った場合は、ペアリングをした後に、再度、アクセスする必要がありました。しかし、このSLCを事前に読むことで、先にペアリングしてからcharacteristicにアクセスをするというスムースな処理ができます。
  • Advertising Coding Selection: HCIレベルで、Coded PHYを使ったアドバータイズに関して、S=2, S=8の指定ができる仕様です(これまでは指定できなかった)。