Bluetoothの歴史(★)
[BLE(Bluetooth Low Energy)の開発依頼は、フィールドデザインまでお気軽にお問い合わせください。]
Bluetoothは、2.4GHzの周波数帯域を使った通信技術です。Bluetoothは、1998年頃に、PCの周辺機器を無線で低消費電力でつなごうというところから始まっています。ヘッドセット、マウス、キーボードを無線にしようというものです。エリクソンが中心となって、技術仕様をまとめてました。私は発足当初から技術仕様にアクセスしてましたが、それまでの無線通信と比べ、すばらしく美しい仕様でした。一方、当時、PCのプロセッサや周辺機器のメーカであるインテルは、周辺機器を無線で飛ばすということに非常に強い関心を持っていました。その2社が中心となって、仕様策定を進めていきました。
今日、Bluetoothが、なぜ、ここまで発展したのかというのは、半導体のプロセスと非常に密接な関係があります。
1990年、当時、無線通信用の半導体は、動作周波数が高いため、バイポーラトランジスタでしか製造できませんでした。バイポーラトランジスタというのは、スピードが速い一方、常に電流がながれるため、非常に消費電力が大きい半導体です。その後、バイポーラとCMOSのミックスしたBiCMOSが出てきて、ようやく2000年頃にCMOSで無線通信用の半導体を作れるようになりました。といっても、CMOSで2.4GHzの半導体を作るのは、当時は非常に難しかったです。試作では動くが、量産で品質が安定しませんでした。このように、CMOSで高周波回路ができると、電流を常に流さなくて良いため、低消費電力にできます。低消費電力にできると、携帯用の機器はバッテリーを小さくでき、機器全体の重量を減らせます。また、高周波回路にCMOSを使うと、ロジック回路と高周波回路を同じ半導体上に展開できるため、単価を安くできます。
これらの要因により、急速にBluetoothは発展し、今ではPC周辺機器のデファクト・スタンダードとなっています。
その後、2009年にBluetooth Low Energyがリリースされ、さらに低消費電力になりました。それまでのBluetoothとは互換性がないまったく新しい規格です。しかし、それまでのBluetoothと比べ、約半分の消費電力で動作させることができました。